講演会チラシで人気の酒井とし夫

☆ビジネス・コミュニケーション心理スキル360☆
先日、担当税理士さんが仕事場にやってきた。
彼は今年から当社の担当になったのでまだ緊張しているようだ。
打ち合わせの後、世間話になった。

（私）「休みの日は何してるの？」
（税）「・・・う～ん・・・車を買ったのでドライブしたりしてます。」
（私）「へえ～、車を買った・・」※1
（税）「はい」
（私）「車は何？」
（税）「○○っていう車です・・・」
（私）「へ～○○。じゃあ、あまり歩かなくなったでしょ。」※2
（私）「そうですね・・・。」
（私）「・・・」
（税）「以前は自転車で結構遊んでたんですけど。」
（私）「自転車・・」※3
（税）「はい、BMX（ビーエムエックス）という、片輪でクルクル回ったり、ジャンプしたりする、アレです。以前、市内に住んでいた時は駅前にそういう愛好家が集まる場所があっていろいろ教えてもらってたんです。」
（私）「BMX・・」※4
（税）「練習してよくころんで怪我してこの辺から（腕の辺りを指す）血が流れたりしてたんです。クルクル回っているうちに摩擦でタイヤがパンクしてバーーン！！って音がして、それが銃の音のように聞こえたらしくて、警察に通報した人がいて、お巡りさんがきて聞かれたんですけど、腕から血は流れてるし、結構あやしまれました。腕は痛いし、倒れてハンドルは曲がっちゃうし・・修理すると８万円位かかちゃうんです。」
（私）「８万円」※5
（税）「パーツが結構高いんです。オプションで取り付けるパーツのメーカーも統一したくなるし、色も好きな色に変えたり、スポークの色も金とかにできるんです。重さも今は軽くて片手で持てるんです。こちらの地域だとあまりショップが無いんですが○○市に専門店があるんです。そこは・・」

・・・っといった感じで彼はなんと３０分近く自転車の話をしていた。

この会話の間、私はミラーリングをしながら※1や※3、※4、※5でバックトラッキングしている。

そして、※3で「自転車」というところで私は身を乗り出しているんだけど、ここがツボなんだ。それまで車の話をしているのに彼の口から「自転車」という一見無関係な単語が出てきた。こういう「会話の違和感」を感じるところにこそ相手の本音が出ることが多い。しかも、たいていの場合それを相手は無意識に出している。

おそらくこの日、彼は「なぜ自転車の話になったのか覚えていない」はずだ。
そして、「相手の話したいこと」や「本音」を刺激できるとある現象が現れる。

それは話が熱を帯びてきて、一人でだ～っと話だす。
話がしばらく止まらなくなる。
これが傾聴して相手の無自覚な領域を刺激する、ということなのだ。

実はこの彼はあまり口数の多い方ではない。
どちらかというと無口で寡黙な真面目なタイプ。
でも、この日、世間話の９９％は彼が話していた。
私が本気で傾聴しだすとこの彼のようになる人が多いんだ。

「酒井さんって・・・何か話やすい」
だから、私は講演依頼が多いのかもしれない、よね・・。

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